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『ワインの中の風景_その2』
前年の11月に第一回のこのエッセイを書いてからはや11ヶ月が経ってしまいました。
前回はギガルのコート・ロティ「ラ・ムーリンヌ」と「ラ・トゥルク」について書きましたが、今回はギガル3姉妹のもう一つの畑「ラ・ランドンヌ」について。
でも、ギガルの「ラ・ランドンヌ」ではありません。
ギガルと並んでコート・ロティのトップドメーヌとして知られるルネ・ロスタンの「ラ・ランドンヌ」についてです。
そもそも、「ラ・ランドンヌ」とはどういう位置付けのワインでしょうか。
アペラシオンはコート・ロティ。
コート・ロティは北ローヌの最北部に位置し、ワインはシラーを中心に造られ、ブルゴーニュのようなエレガンスさ複雑さも感じられるものが多く存在します。
私がシラーの素晴らしさを知ったのも、このコート・ロティのワインを飲む機会を多く得ることができたからでしょう。
その中に綺羅星のごとく輝く畑がいくつかあります。
その一つが「ラ・ランドンヌ」。
前年紹介した「ラ・ムーリンヌ」や「ラ・トゥルク」よりもさらに力強いワインです。
品種はシラー100%。
その葡萄は傾斜60度にも及ぶ崖のような斜面に栽培され、テロワールは片岩質・粘土状・鉄の土壌で密度も感じられます。
ただし、力強いだけのワインではありません。
一度口にすれば分かります。
キリッとした堅物のように装いながらも、液面から湧出する隠しきれないエレガンス。
触れる者の心底に響く気高い旋律。
まさに美しいワイン。
ルネ・ロスタンの「ラ・ランドンヌ」は、剛健な佇まいながら、そこから溢れ出る絢爛で柔らな気品を纏った貴婦人の姿そのものです。
貴婦人のたおやかな姿に触れられるのは、好機に出会えた方々の特権と言えるかもしれません。
そのルネ・ロスタンの「ラ・ランドンヌ」を10月12日(土)のワイン会で提供します。
ヴィンテージは2017年と2007年。
ちょっとした垂直試飲です。
12日の会は、ローヌ会という設定で、パーカーポイント99点のシャプティエのエルミタージュ・ブラン・ド・ロレ2003年など、北ローヌ地方を中心になかなかのラインナップを揃えております。
貴婦人の気品に触れる好機、逸すべからずです。
詳細はこちらから。
残席僅かです。