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ワインの中の風景
このちょっとした文章は、当店で提供するワインや、ワイン会で提供するワインを紹介するエッセイのようなものです。
少しでも皆様に興味を持っていただければと思っております。
その1回目は、ローヌ地方の雄・ギガルのコート・ロティ、トップキュヴェ3姉妹の「ラ・トゥルク」と「ラ・ムーリンヌ」。
この季節に飲むべき逸品です。
ギガルと聞くと、コート・デュ・ローヌの手頃なワインを作っている生産者だと思っている方も多いでしょう。
もちろん千円台の安価なワインも生産していますが、普段は到底手の出ないような特級クラスのワインも生産しています。
上から下まで様々な価格帯のワインを揃えている北ローヌ屈指の生産者です。
今回はそのトップキュヴェの3種のうちの2本を紹介するわけですが、先ずは自分でも思い出深い「ラ・ムーリンヌ」。
こちらはギガルが初めて購入した自社畑の名前を冠した赤ワイン。
年間生産量5000本という少なさです。
シラーに加え11%ほどヴィオニエを混ぜいていることもあり、比較的柔らかくシルキーで官能に響くような色気も感じられます。
ピノ・ノワールとも違う、もう少し背筋がしっかり伸び、凛としたエレガンスを兼ね備えている剛き淑女。
しかしながら、その「剛」の中から止めようも無く溢れ出てきてしまうエロスに溺れさせてくれる、全くもって私好みの一本。
ギガル3姉妹の中で、私はこちらが一番のお気に入りかもしれません。
そして3姉妹では一番若手の「ラ・トゥルク」。
シラーにヴィオニエを7%ほど混ぜています。
個人的に一番派手な感じがします。
言い方を変えると、わかりやすくそのポテンシャルの高さを伝えてくれるワインなのかもしれません。
バランスも良く、柔と剛をしっかりと感じさせてくれる造りはさすが。
他の方の意見を伺うと、3姉妹では「ラ・トゥルク」が一番好みだという方が多い気がします。
王道中の王道といった感じでしょうか。
エレガンスと剛直さ。
このバランスの美しさと、ワインに込められた香り高き情熱に心を掴まれるのでしょう。
となると、もう一つシラー100%の「ラランドンヌ」となるわけですが、今回はこれでおしまい。
「ラランドンヌ」は今持っていないので。
書いても当店で飲めないものはちょっと。。
他の作り手の「ラランドンヌ」はありますけど今回はギガルですからね。
さて、今回ちょこっと書いた「ラ・ムーリンヌ」と「ラ・トゥルク」は、11/25(土)のワイン会で提供します。
ヴィンテージは、それぞれ2006年と2008年。
ほとんどの方が、まだ飲んだことの無いワインかと思います。
当店もそうそうワイン会などでお出しできるボトルではありません。
この機会に、北ローヌ、コート・ロティの頂点のワインを体験してみませんか。
ご興味ある方は是非。
余韻の長い幸せを体感できるはずです。
詳細はこちらから。
残席僅かです。
※写真は「ラ・ムーリンヌ」